個人情報保護法

〜 適正取得と利用目的の通知又は公表 〜



 今後、個人情報取得に関して注意すべきこと。



個人情報保護法17条(適正な取得)


・個人情報取扱事業者は、偽りその他不正に手段により個人情報を取得してはならない。


新ガイドラインより「不正手段」とされる方法

・窃盗、脅迫

・十分な判断能力のない子供からの取得

・第三者提供制限違反に加担して個人情報の提供を受ける。

・不正な手段により取得させた個人情報の提供を受ける。

・提供者が不正な手段で取得した個人情報と知りながら提供を受ける。


不正な手段での取得をした場合、情報主体である本人は、その個人情報取扱事業者に対して、保有する個人データの利用の停止又はその消去を請求できます。


そして、この請求に理由がある場合は、個人情報取扱事業者は原則として、利用の停止又は消去しなければなりません。






個人情報保護法18条(取得に際しての利用目的の通知等)


 1項

 個人情報取扱事業者は、個人情報を取得した場合は、あらかじめその利用目的を公表している場合を除き、速やかに、その利用目的を、本人に通知し、又は公表しなければならない。


1)通知

 本人に直接知らせることです。必ずしも文書によることとはされていませんから、口頭でも構いませんが、後に何らかの紛争になる場合のことを想定すると、やはり書面にしておくことが望まれます。


 電話、郵便、FAX、電子メール等でも構いません。



2)公表

 国民一般もしくは不特定多数の人が知りえる状態にすること。

・自社のホームページ上に掲載する。
・パンフレットへの記載・配布。
・事務所の窓口等見やすい場所への書面の掲示、備え付け。



3)利用目的の特定(法15条)

 新ガイドラインによると

認められる例

・○○事業における商品の発送、関連するアフターサービス、新商品、サービスに関するお知らせのために利用します。


・ご記入いただいた氏名、住所、電話番号は、名簿として販売することがあります。


認められない例(抽象的すぎる)

・当社の事業活動に利用するため。


・当社の提供するサービスの向上のため。



 また、明示した利用目的の範囲内で、取得した個人情報は利用する必要があります。利用目的の範囲外での利用は、原則として認められていません。


 ただし、いかなる場合も、といったことではなく例外もあります。法16条1項により、「あらかじめ本人の同意」がある場合、法16条3項により、他に優先すべき利益が存在する場合です。


 注意点は、事前に「どのように利用されても構わない」といった包括的な同意を得ていたとしても、それだけでは本人の同意があったとは認められないということです。



※このあたりは各種事業によっても変わってきます。しかし、具体例をひとつずつ網羅することまでは求められていません。



2項

 契約書等によって直接本人から書面に記載された個人情報を取得する場合は、利用目的を明示しなければなりません。


新ガイドラインでの例示

・申込書、契約書


・アンケート


・懸賞応募ハガキ


※口頭によって取得する場合は、明示は不要です。

※Webサイト、電子メールから収集する場合も、この2項は適用されます。

※明示とは、利用目的を記した紙を契約書面の交付と同時に渡す、Webサイトならリンクで利用目的を掲示しておけば足りると考えられています。



 これまでは漠然と取得してきた個人情報ですが、今後はいかに適法に取得するか、といったことを常に意識する必要があります。


 そういった法務コンサルティングとなるべき専門家は、不可欠になると考えます。



たなか社会保険労務士事務所

 社会保険労務士/キャリア・コンサルタント

 田中 雅也


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