受給資格者創業支援助成金
1.対象事業主
2.受給額
3.支給手続の流れ
4.不支給等
5.最後に
6.報酬
・ これは、雇用保険の受給資格者が自ら創業して、創業後1年以内に雇用保険の適用事業主となった場合、その事業主に対して、創業に要した費用の一部について助成するものです。
・失業者の自立を積極的に支援しましょう、というものですね。
・創業等の支援に関しては他にも、「地域雇用受皿事業特別奨励金」「高年齢者等共同就業機会創出助成金」がありますが、それぞれ重複しては受けられませんから注意してください。
支給対象となる事業主の範囲は、次の全てに当てはまる方です。
1)下記の全てに該当する法人を設立または事業を開始した個人(以下、法人等で統一します)の事業主。
a)当該法人等の設立の日の前日において、受給資格者であった方が設立したこと。
(法人の場合は設立登記した日です)
※ 受給資格者とは、その受給資格にかかる離職の日に、雇用保険法で規定する算定基礎期間が5年以上ある方です。(以下、創業受給資格者とします)
算定基礎期間は、いろいろ要件があります。一番イメージしやすいのは、辞めた会社で何年雇用保険の被保険者として働いていましたか? ということですね。
「3年」あるいは「4年」しかないよ。こういった場合でも、その前に働いていた会社に「2年」または「1年」以上被保険者として働いていて、その間の失業していた期間が1年未満かつ基本手当等の支給を受けていない、といった場合は、期間を通算できます。
※ 実際に期間が足りなかったということはありました。 しかし、これはそこで働いていた期間自体が短かった、というものではなく、 「とりあえず試用期間だから・・・」 みたいな理由で未加入の期間が数年あったために生じたことです。 直近で3年間は加入。でもそれ以前に未加入期間が・・・ 強制的に加入させられる期間は直近2年間(確認された被保険者の資格取得日が確認のあった日の2年前の日より前の期間は被保険者期間に算入しない)ですから、この場合はその期間は加入していることになり、どうにもこうにもね。 きちんとした手続きは、やはり重要ですね。 |
わからない時はまず事前に確認しましょう。そうでないとせっかく準備しても「該当しないですよ」となって、くたびれ損のなんとやら、になりかねません。
b)創業受給資格者がもっぱら当該法人等の業務(個人の場合は、その開始した事業にかかる業務です)に従事するものであること。
c)法人の場合は、創業受給資格者が出資し、かつ、代表者であること。
d)当該法人等の設立の日以後、3ヶ月以上事業を行っているものであること。
・ 形だけ整える、といったことでは受給できないということですね。
2)当該法人等の設立の日から起算して、1年を経過するまでの間に、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)を1人以上雇い入れ、雇用保険の適用事業の事業主となっていること。
・簡単に言うと、1年以内に正社員を雇いましたか? ですね。イエスなら、受給できるか聞いてみられる事です。
・ この助成金は、雇用保険2事業といわれるものの一環です。これは雇用保険の適用事業主が納付している保険料によって成り立っていますから、雇用保険の適用事業主のみが対象となることは合理的なことです。
3)創業受給資格者の離職の日の翌日から法人等の設立の日の前日までの間に、当該法人等の設立にかかる計画書(創業計画書)を作成します。
そしてその計画書を、設立しようとしている法人等の所在地を管轄する公共職業安定所所長に提出し、認定(変更の認定を含みます)を受ける必要があります。
まず、上記1から3に該当するかどうか、確認してください。
下記の費用の合計額の3分の1に相当する額が支給対象です。ただし、上限額があり、3分の1相当額が150万円を超えるときは原則として150万円となります。期間内に2人目を雇い入れた場合は、上限額は200万円に拡大されます。
1)まず次の費用が対象となります。
a)当該法人等の設立に係る計画を作成するために要した経営コンサルタント等の相談費用、法人設立の登記等の手続に要した経費(登録免許税、印紙代は除きます)など。
当事務所は、懇意にしている中小企業診断士を紹介できます。「誰に言ったらいいの?」といったことはご心配なく。
b)当該法人を設立する「前」に、創業受給資格者が自ら従事することとなる職務に必要な知識または技能を修得するための講習または相談に要した費用。
c)その他、当該法人等の設立に要した費用。
2)次のものも対象となります。
d)当該法人等に雇用される労働者に対し、そのものが従事する職務に必要な知識または技能を習得させるための講習または相談に要した費用。
e)創業受給資格者が自ら従事する職務に必要な知識または技能を修得するための講習または相談に要した費用。
上記bは「設立前」が対象なので、ちょっとした違いですね。
f)当該法人等に雇用される労働者の雇用管理の改善に関する事業に要した費用。
たとえば・・・
・ 就業規則の作成
・ 労働者の募集、採用(労働者募集、採用のためのホームページ、パンフレットの作成費)
・ 職業適性検査の実施
・ 雇用管理者の研修受講費
・ 雇用管理マニュアルの作成費など
g)その他の法人等の「運営」に要した費用
たとえば・・・
・ 事業所の工事費
・ 事務所等の賃貸料
・ 設備、機器、備品の購入費
・ 広告宣伝費等
※ ただし、事務所の賃貸借に係る敷金、各種税金、各種保険料、不動産の購入経費は含みません。
また、事務所等の賃借料については、創業後3ヶ月間分を限度として、助成金の対象とします。
3)注意点
・人件費は対象外です。
・aからcの費用、及び、当該法人等の設立の日から起算して3ヶ月の期間内に支払いの発生原因が生じたdからgにかかる費用であること。
加えて、受給資格にかかる離職の日後に支払いにかかる契約から第1回目の支給申請時までにその支払いが完了していることが要件です。
これらの要件に合致している金額の合計の3分の1に相当する額が支給されます。が、既述しているとおり限度額は原則として150万円となっております。
創業受給資格者 |
1.創業計画書の作成・認定申請
(法人等設立の前日まで)
公共職業安定所 2.創業計画書の内容確認 |
3.創業計画の認定・不認定
の通知
創業受給資格者 |
4.法人等の設立
事業主(法人または個人) |
5.労働者の雇い入れ
(法人等の設立後1年以内)
雇用保険の適用事業主 |
※ 6.助成金の支給申請
公共職業安定所 7.支給申請書の内容確認 |
8.支給申請書類の送付
都道府県労働局 9.審査、支給・不支給の決定 |
10.支給・不支給の
決定通知
雇用保険の適用事業主 |
流れは上記のようになります。ただし、支給請求は2回に分けて行います。よって、6から10の手続を2回行うことになりますから注意して置いてください。
・1回目と2回目の支給申請の期限は以下の通りです。
ア)1回目
雇用保険の適用事業主となった日の翌日から起算します。そしてその起算日から3ヶ月を経過する日以降を再び起算日とし、その日から1ヶ月を経過する日までの間に申請します。
この辺りはややこしいので、事前に確認しておく方がいいでしょう。
イ)2回目
雇用保険の適用事業主となった日の翌日を起算日とします。(これは1回目と同じです) その起算日から「6箇月」を経過する日以降を再び起算日として、その日から1ヶ月を経過する日までの間に申請します。
※期間内に2人以上雇用し、限度額が上乗せ支給される場合は、3回申請することになります。
※ この「雇用保険の適用事業主になる」ことについての手続きは、もちろん社会保険労務士の業務範囲ですから、「どうするんだ?」といった心配は無用です。
助成金は、同じ事由により他の助成金を受給した場合は、支給しないということがあります。
偽りその他不正の行為により他の助成金を受け、または受けようとしたことがある場合に対しては、助成金の支給はしません。
「受けようとした」場合にも該当します。
上限額(原則150万円)もありますし、対象額の3分の1までしか支給されないにしても、創業時は何かと資金が必要になります。そんなときには、強い味方になるでしょう。また、この制度を知っているだけで、例えば雇用保険の被保険者になって4年6箇月の方は、たとえ辞めようかと思っていても、あと6箇月我慢し、算定基礎期間をきっちり「5年間」にしてから行動を起こすことも出来ます。
また、事業主サイドからも「こういった制度がある」ことを、やむなく退社していく従業員の方に教えることによって、その後の紛争を予防する効果も場合によっては期待できます。
顧問契約後、手続に入る場合 | ・着手金2万円(税込み21,000円) ・受給後、成功報酬として助成金の15% と着手金の差額の支払いが別途かかります。(消費税は別途お預かり) |
手続のみの場合 | ・着手金4万円(税込み42,000円) ・受給後、成功報酬として助成金の20%と着手金の差額の支払いが別途かかります。(消費税は別途お預かり) |
社会保険労務士/キャリア・コンサルタント |
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