★ X理論・Y理論について

 

1.X理論、Y理論とは?

X理論

・ヒトは生来仕事をすることが嫌いで、強制し、管理し、命令しなければならない。

・ほとんどのヒトが責任を回避できるため、この方法によること を望む。

Y理論

・仕事をするのはヒトの本性であり、自律を望み、また相応の責任を求める。

・業務上の問題を独創的な方法で解決する能力がある。



2.当該理論が適合する、とされる職場

X理論

・工場のラインなど業務が一定で、極めて予測しやすい業務

・公式に決められた手順と管理階層が特徴

Y理論

・広範な問題解決が要求され、極めて不確実性が高い業務



3.理論の原則

X理論

・階層の原則

X理論による組織作りの中心は、権限行使による命令、統制である。

ex)従業員に対し「○○をせよ」と命令。 → 業績を判定する。 
→ 信賞必罰を旨とする戦略等々。

Y理論

・統合の原則

 従業員が企業繁栄のために努力することによって、各自の目標を最高に成し遂げられるような条件を作ってやること。

※統合とは、企業が繁栄するよう、一緒になって働くことをいう。



4.Z理論へ

・マグレガーは晩年、X理論・Y理論には矛盾がある、という批判に応えるべく、一歩進んだ理論を開発し始めた。(但し、当該理論を確立する前に、彼は他界した)

Z理論

・人間は経済的安定を確保すると、金銭的報酬の価値が低下し、賞賛や尊敬を勝ち取ること等々を重視するようになる、という考え方。



5.状況・状態によって変化する

・人によって、X理論が心地いいこともあるでしょうし、Y理論の方が数段気持ちいい、といわれる方もおられるでしょう。しかし、その意識とて、時代・時間経過とともに変化していきます。一概に「あいつはXだから」とか「あの人はYだからな」と線引きすることはできませんし、すべきでもない

 

 それでも、単純にX理論よりもY理論の考え方を浸透させたい、というのであれば、従業員に対し<自分から進んでやるヒト>というY理論に基づく対応を続けてください。

すると、やがてY理論の人が育ってきます。これを「ピグマリオン効果」といいます。



※ピグマリオン効果とは?
 〜期待することによって、相手もその期待にこたえるようになる、という現象です。

 

ここで、著書「企業の人間的側面」で紹介されているクリントン・ゴールドンの箴言を書いておきます。

『やがて、いつか経営者は自分にふさわしいような労使関係をもつことになる』

 

これはかなり重い言葉ではないでしょうか。
「ウチの社員は権利ばかり主張し、労務を提供するという義務をきちんと果たそうとしない」

これは…そのまま経営者自身に当てはまる、という意味なのでしょうから。